虹を見上げたら大好きが咲いていた話
2019年12月14日
2019年12月15日
土日の2日間に渡って開催された
「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 First Live “with You”」
の2日目にライブビューイングで参加してきた。
1日目は弊社の社員総会があったのでずっとずっと、ずーーーーーっと迷っていかないという苦渋の決断を下した。
社員総会後の忘年会で日本酒をしこたま飲んでしまい、べろんべろんに酔っぱらった社員2人を5人がかりで説得し、何とかタクシーに押し込んだ頃にライブが終わってTLに「最高だった!」の文字を見つけた瞬間は本当にもう息ができなくなるかと思ったし、私はなんでこんなところにいたんだろう…と惨めな気持ちになったりもしたけれど、
2日目のライブビューイングは、それはもう最高すぎてそんな1日目の私だけが味わった最悪の気分をきれいさっぱりと拭い去ってくれる、最高に最高すぎたライブだった。
と、ここまで書いておいて虹ヶ咲学園(通称ニジガク)がどんなものなのかがわからない方もいるかもしれないので完結に書いておこうと思う。
ニジガクはその名前の前部分にある通り、かの有名な(有名であろう)ラブライブ!シリーズのその三代目である。
初代 μ's
二代目 Aqours
三代目 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
それぞれの作品は一つに繋がったり繋がらなかったりするあやふや時空だが、どれも総じて「9人の女子高生が夢やその一瞬の輝きを追い求め、駆け抜けていく」といった壮大な青春ストーリーである。
某ロンハーの田村淳の言葉を借りるのであれば、これは女子版の甲子園に相違ない。
そしてニジガクがこれまでと違う部分は、μ'sやAqoursが9人グループだったのに対し、
ニジガクは「ソロ」活動を基盤としている。
1人1人がNo.1スクールアイドルを目指しているからこそ、それぞれがお互いの良き友であり、そして良きライバルなのである。
そんな彼女たちのライブはそりゃもうすごい。
9人全員で歌うTOKIMEKI Runnersという曲が1曲目で始まると、9人それぞれが「自分の個性を最大限に活かした最高の衣装」を身にまとって登場する。
つまり、誰一人として同じ衣装を身にまとっているキャストがいないのである。
これがもう圧巻だった。
本来であれば「統一感ないな~」と思うところなのに、振り付けも歌もぴったりと揃っているからこそ、それぞれの衣装が主張しすぎず程よい調和がとれているように見えて、そして何より、自分の推しが見つけやすい!!!!!!
いつも推しを探すのに一苦労したり、フォーメーションチェンジだのの時に見つけられなくなってしまったヲタクからするにこれはまあ…うん、正直ちょっと便利。
誰一人同じ衣装はなく、そしてキャラの魅力を最大限に押し出した衣装ほどいいものはない。
そんなお衣装で歌うニジガクの楽曲もまさしく良曲神曲ばかり!
「ソロ」を前面に押し出していることもあって、μ'sやAqoursのように「夢」や「キセキ」「輝き」といったものを追いかける、追い求める、一緒に歩こうといった明るい曲ばかりではないのが新しいというか、本当にこれが「ラブライブ!のソロ楽曲」なんだよな!!と感じさせられるものばかり。
ニジガクの中でリーダーのような、センターのようなポジションを務める「上原歩夢」ちゃんの楽曲は「夢への一歩」と「開花宣言」
夢への一歩では「少しだけうまくいかないこともある、普通な私がスクールアイドルとして果てしない道を一歩一歩進んでいく」という超ド級王道アイドルソングを、「支えてもらっていた私から、"あなた"のことを支える私へ」の想いを歌いあげる。
次曲、開花宣言は正直、夢歌詞が重たい。
夢への一歩もよく見るとなかなかの重さを感じられるのだが、開花宣言はその明るい局長に反してとにかく"あなた"への愛が重たいのだ。
それでもなお「あなたのために、あなたがくれた愛のもとに、大輪の花を咲かせる」という一つの上原歩夢「らしさ」が詰まった大変な楽曲である。
この2曲、最高に高音パートが多く、裏声になりそうなところを地声で歌い上げる上原歩夢(大西亜玖璃)に注目である。
ニジガクの自称リーダーかすみん。
小悪魔系スクールアイドルあらため腹黒系スクールアイドル。
な「かすかす」みからとる「かすかす」というあだ名で呼ばれることを嫌う、意地っ張りで不器用で自分大好きなもうよくわからん私の推しです。推しです。
楽曲は「☆ワンダーランド☆」と「ダイアモンド」
1曲目の☆ワンダーランド☆は2ndCDの「Love U my friends」の楽曲。
曲名からお察し()の通り「はわわわわ~~かすみんの王国作っちゃいました~~~☆」な曲なんだけど本当に曲調が明るくてポップで何回聞いても飽きない楽曲!
次曲ダイアモンドはずばり「中須かすみ」を歌い上げた曲。
「かすみんが可愛い? とーぜんです! 頑張って努力して磨き上げてますから!」というかすみんが「自分の努力に自信があるタイプ」だということがわかるのと、
「今ここからでも見える未来の輝きに恋い焦がれている」ことが伺える歌詞が特徴。
全部の動作が「可愛い」というステータスに全振りされているこれもまた王道アイドルソング。
ちなみに☆ワンダーランド☆では国旗(フラッグ)を振っている。
もはや一つの国家。国。国が建った。建ってないならここに建てよう。
3.桜坂しずく(前田佳織里)
演技派系スクールアイドル。
ラブライブ!シリーズではAqoursの渡辺曜ちゃん以来の「スクールアイドル部以外の部活動にも所属している」キャラクター。
演技派系とは読んで字の如く、役者としての想いや信念が強い。
そんな彼女の楽曲は「オードリー」と「あなたの理想のヒロイン」
オードリーはしずくちゃん自身が演技派系ということもあって「オードリーヘップバーン」に憧れていることが由来なんだそう。
ライブで披露されるまでは「何だこの韻の踏み方!?」となっていたヲタクたちを一気に黙らせたのは何を隠そうこの楽曲。
スクリーンに投影される映像と、赤いトレンチコートと白い傘を手にした前田さんが出す「演じている」空気感にただただ圧倒され…。
さらに最後の早着替えで「あなたの理想のヒロイン」の衣装に代わってまさしく「理想のスクールアイドルの自分を演じている桜坂しずく」という言葉がぴったりのフリに。
次曲あなたの理想のヒロインでは白いドレスをふわりふわりと翻しながらスクリーンに投影される桜坂しずくちゃんとぴったりシンクロする前田佳織里さん!!!
圧倒的な「演技」ですべてを魅了していった…。
MC
MCではそれぞれの楽曲の振り返り。
どこが良い、誰それの振り付けの何が一番好き、
そういえばフラッグ持ってたよね!
なーんて小物まで紹介してくれる太っ腹加減。
ちなみにこのMCのハイライトは
前田さんの持っていた傘は身長に合うものが見つからず実は4代目なことと、
かすみんの持っているフラッグが練習の時にはできておらず、代わりに「大漁旗」を振っていたんだそう。
あぐぽんもカラオケで練習していて全国採点で3位だったり、かおりんもオードリーで94点取ったらしい話も。
4.宮下愛(村上奈津実)
元気系スクールアイドルの「ギャルっ娘」愛ちゃん。
元気なギャルなのになんとおばあちゃんっこでぬか漬けとおやじギャグが好きな女子高生。
昨今の…JKで…そんな子はいるのだろうか…
なぁんて思いつつその明るい楽曲は大多数のヲタクが好きなアップテンポ調。
1曲目友 & 愛はたくさんのギャグが絡まった曲。
トロッコで手を振りながらも息継ぎの難しいこの曲を歌い上げ、戻ってきたステージで披露するのは
次曲めっちゃGoing!!
なんと驚くことに振り付けが「片足のみで跳び続ける」というものがあるため、歌うのがとっっっっっっっっっっっても大変そうな曲。
それなのに村上さんって人はすっごく楽しそうな笑顔でいつも歌い上げてくれるので、すごい楽しい気持ちになるのです…!!
笑顔が眩しい!百点満点!めっちゃごーいんだいすき!!!
とか思ってたら天井から♡型の風船が降ってきていました。え、なにそれすげぇ。ソロ曲なのに降ってる…そうかこれがソロか…!!!!!!!!!
常に顔面に「璃奈ちゃんボード」と呼ばれるボードが標準装備な女の子。
いつの間にか表情の変え方が不得手になっちゃったらしいなかなかに「ほの暗い」感じを持っている子。
そんな彼女が歌うのは「ドキピポ☆エモーション」と「テレテレパシー」
どちらも彼女自身の「想い」を伝える大切な曲。
1曲目のドキピポ☆エモーションから始まって、トロッコに乗ってステッキを片手に想いをテレテレパシーの歌にこめて届ける姿がとってもかわいくて本当にびっくり…。
というかドキピポ☆エモーションのフリもぴったりだし、何よりドキピポからのテレテレパシーという選曲がさすがすぎる。
個人的に璃奈ちゃんの楽曲のピコピコ感とか全部大好きだし、何より中の人の田中もお衣装とか総じて「あ……璃奈ちゃんだ…」と思う部分が多かった。
特に印象に残るのはやっぱり「璃奈ちゃんボード ライブVer」
顔に装備された表情の切り替わるやつはほんと…「そういうの大好き」に刺さる。
6.近江彼方(鬼頭明里)
常に眠そうで枕を小脇にしているイメージのある女の子。
お昼寝睡眠だ~~~いすき!な子でおっとり系なふわふわお姉さん。
彼女の持ち歌もまさしく「眠れる森のお姫様」な曲で、タイトルは「My Own Faily-Tale」と「眠れる森に行きたいな」
1曲目はまるでグリム童話みたいな物語を意識した「My Own Faily-Tale」
直訳すると「私のおとぎ話」らしいですよ。
ステージが上側と下側とで分かれてたんですけど、上側で足だけ下ろしてぷらぷらさせながら歌ってるの、まじスカートの中身見えない!?って思わなかったわけじゃないけど普通に可愛いしいい感じに見えないから(当たり前なんだろうけど)すげぇ!!ってなった記憶。
2曲目の「眠れる森に行きたいな」と合わせても本当に穏やかでのんびりとした曲調が続いていて、特に私は眠れる森に行きたいなを聴くとすごく眠くなってしまうのでほんと…ライブ中なのにうとうとしちゃう…すごい…あっ……
MCでは主になっちゃんのダンスが激しいのに楽しそうに踊ってすごいよね!!っていう話を皮切りに、他にも田中…璃奈ちゃんが手に持っていた「テレパシーステッキ」を見せてくれる!
上にはキューブで作られたきつね?ねこ?みたいなものに、下にあのほら……言い方悪いけど丸い蛍光灯みたいなやつが3つついてて、それが光ります。はい。光ります。
7.エマ・ヴェルデ(指出毬亜)
スイスからやってきた留学生!
パンが大好きでμ'sの小泉花陽、Aqoursの国木田花丸に続く「いっぱい食べる君が好き」
曲は「Evergreen」と「声繋ごうよ」
Evergreenは民謡楽曲を彷彿とさせるメロディーで、クラップ(手拍子)をずっとつなげられる珍しい楽曲!!
印象に残るサビ部分のフリはきっとヲタク全員が好むやつ。
盛り上がった後に続いた声繋ごうよ、では突然「よいこのみんな~~!集まれ~~~!!!」の掛け声でぽっかーーーんしてたら本当にキッズたちが現れて突然「おかあさんといっしょ」が始まってしまい「ええぇ!?!?!?!」と叫んでしまったけど、よくよく考えたら周りのヲタクたちは2回目だったので全然びっくりしてなくて「ズル……」ってなりました。
MCではキッズたちから貰ったお手紙(英語でエマ・ヴェルデと書いてある)を見て「私(英語で)書けないわ…」と漏らしてました。
8.朝香果林(久保田未夢)
セクシー系スクールアイドル。胸元にある三つのほくろがスェクスィー!!な人。
情熱的なパフォーマンスで~~とかいうわりにピュアな面があるギャップがかわええ…。
そしてそんな彼女が歌うのは「おかあさんといっしょ」から一転、夜の雰囲気に満ち溢れた「Wish」と盛り上がる「Starlight」
椅子パフォーマンスは久保田さんがずっと所属しているi☆Risでもあった記憶があるんだけど、いや本当にすごい。歌もかなりうまい久保田さんなんだけど、っていうか久保田って私の幼馴染と同じ苗字なんだけど、まあそんな久保田がすっごい感情をこめて歌うわけですよ。
いや、もうほんと、数十秒前まで子供がいたところで情熱的に歌い上げてる。すごい。
Wishの後のStarlightもかなり力が入っていて振り付けの端から端まで力が入っている感じ。
ただただ見惚れて、その力強い歌声に聞き入る他なかった…。
9.優木せつ菜(楠木ともり)
今回のライブのヘッドライナー*1!!
せつ菜ちゃんの曲「CHASE!」と「MELODY」は虹の中でも個人的に(たぶん他のヲタクにとっても)最高に盛り上がる曲なので本当に燃えた…!!
CHASE!もMELODYもいつも以上に感情がこもっていて、前回のイベントの時のCHASE!とは違ってもっと声も安定していて、たくさん練習したんだなぁとか思ってなんだかすごい感動してしまった…。
というかやっぱりせつ菜ちゃんのお衣装がめちゃくちゃ似合う!!し、1番好き!!!
本当にカッコいいし、かっこいいし、かわいいし、最強のお衣装では…?
歌い切った後にエマちゃんと果林先輩を呼んで3人でのMCでは
「数十秒前まで子供たちがいたのに…」から始まってやっぱりせつ菜ちゃんをたたえる言葉をたくさんたくさんかけてあげてましたわね…。
あとは3人でステージ端に行きたい!って電車ごっこで移動してました。移動速度遅くて途中から普通にダッシュしてたけど。
Love U my friends
今までで初めてお揃いの衣装で踊る曲。
実は9人曲の中で1番好きな曲で、すごいいい曲なので全人類1回は聴いてほしい。
何だろう…今まで聴いてて「あ~~好き~~」としか思ってなかった曲でもあったけど、9人が踊ってる姿を見て初めて「あ、これがLove U my friendsなんだ」って思えた…。これは実際に見ないと分からないと思うのでみんなBD買ってください。
アンコール:中須かすみ ダイアモンド
アンコールはなんと「投票制」で、自分が見たいと思った子のイメージカラーを1本掲げるスタイル。
それを運営側が見て決めるんだけど、割とすぐバッ!と来る。めっちゃバッと来た。
Love U my friendsの衣装を着たまま歌うダイアモンドは、さっき見たダイアモンドとは一味も二味も違っていて、確かに同じ歌で同じパフォーマンスなんだけど、9人唯一のお揃いの衣装を着て歌うダイアモンドにどれだけの想いが詰まってるんだろうってただ呆然とスクリーンを見上げてしまった。
アンコール2:TOKIMEKI Runners
トロッコに乗って9人で歌うさいしょでさいごの歌。
アンコール後のMCではたくさんの告知と9人の想いのこもった言葉。
泣かないと決めていたメンバー全員が大号泣していて、何だろう。本当に「今まで思っていたけど言えなかったこと」が一言一言に込められていて、「伝えたいすべて」が全部そこに詰まっていた。
アニメ化が最初は決まってなかったこととか、ステージに慣れているって思われてるかもしれないけどそんなことないとか、毎月の投票とか。
本当にメンバーそれぞれ思うところがあって、それを全部正直に伝えてくれたんだなぁなんて思いつつ。
でもやっぱり、ファンにもキャストにも思うところはあるわけで。
まあ、こんなところでうだうだ言ったってどうにもならないし、本人たちの言葉を最大限に汲むならそっと黙して一番好きな子を見つけるべきなんだろうけどね。
いややっぱ言うわ。
こんな9人のパフォーマンス見せられて、推しを1人に決められるわけなくない?!!?!?!?!?!?!
無理だよ、無理。無理無理。
みんな等しく好きになったし、9人のこと精いっぱい応援したい。1番なんて決められない。みんな1位でよくない? 我ゆとり世代ぞ? みんな手を取ってゴールしようよ。
前田さんの「桜坂しずく」という女の子にかけた想いが「歌う」じゃなくて「演じる」だったこととか、ともりるとあかりんの言葉一つ一つが本当に色んな想いと「大好き」が詰まっていたこととか。
ほんと、ずるい。ずるいよ。
そんなずる。絶対発売するから。買って。
何ならアニメ化するので見て。
みんなでこれからもTOKIMEKIしてこう…。
私も あなた も虹をかける一人だから…。
(エモい終わらせ方を目指すヲタク)
*1:複数のアーティストが合同で行うコンサートやロック・フェスティバルなどにおいて、主役を務めるアーティストである。